中国文化大革命の大宣伝[下]
頁数:600頁
定価:3,850円(税込)
本体:3,500円
発行:2009年4月1日
ISBN : 978-4-87586-175-1 C0095
コラムニストの天野祐吉氏は、この本を評して「毛沢東の文化大革命を“宣伝”という 視点からとらえ、ここまで執拗に紹介・解説した本は、世界にもまず例がない」と語っています。“最後の文人”草森紳一が、現代史最大の謎の一つ「文化大革命」に挑み、情報分析官さながらそのプロパガンダ(=プレゼンテーション)の一部始終を読み解いた上下巻計1200ページの大冊です。
1960年代半ば、「文化大革命」の号令によって、3000万人が亡くなったとも言われています。権威が失墜しつつあった毛沢東は、中学生高校生を煽り立て、敵対勢力を一掃します。「司令部を砲撃せよ」とまで号令を発し、民衆はおろか国家元首までをもリンチにかけ、ついには殺害してしまいます。人々も「毛沢東万歳」を御旗の下、進んで破壊・殺戮を繰り返したのです。
草森は「社会主義国家においてはすべてが宣伝である」と喝破しています。宣伝はいかに人をダマし、人はいかにダマされたのか──プロパガンダの手管を飽きることなく穿っていきます。
草森は、「執筆時に頭によぎったことは、一見無関係でも、何か繋がりがあるはずだから書く」という主義で、本書も、学術的な文革論とは明確に一線を画しています。「ゴルゴ13」や、中国詩論、ユーモア論など縦横無尽です。そして、その先には悲劇の中にあっても“生き続けようと意志する”人間の姿が見えてくるはずです。
雑誌『広告批評』での足かけ11年の連載が待望の書籍化です。
【目次】
- [下巻]
- ■壁新聞
- 活字では決してありえない、肉筆による魔力がいかに人々を狂わせていったのか?
- ■筆蹟/肖像
- 毛の肖像は、さながら明治天皇の御真影で、犯すことはタブーだった。
- ■数詞の霊力
- 「数」がもつ不思議な力は、どのように民衆を惑わせていったのか?
- ■革命模範劇
- 芸術だって、しょせんはプロパガンダの具でしかなかった。
- ■中国文化遺産の発掘
- 中国四千年の歴史も、曲解され、プロパガンダへと利用された。
- ■天安門
- 毛沢東に反旗を翻す「反文革」の動きさえ、「反宣伝」であり、裏で糸が引かれていた。
頁数:600頁
定価:3,850円(税込)
本体:3,500円
発行:2009年4月1日
ISBN : 978-4-87586-175-1 C0095