美しい人 ー佐多稲子の昭和
頁数:352ページ
本体価格:3,000円(税別)
発刊:2024年11月9日
ISBN : 978-4875867135
芸術新聞社Web連載 待望の書籍化!
佐多稲子 生誕120周年
生きることだけで精一杯だった100年前の日本に、
発言することを恐れず、
自分らしく生きることを諦めなかった
ひとりの女性作家がいました。
昭和の時代に数多くの傑作を生んだ
知られざる文豪・佐多稲子を今、紐解く。
佐多稲子とは……。 —まるでドラマのような激動の人生を生き抜いた女性
長崎県で若い父母のもとに生まれ、親戚の奉公人の長女となる。5歳で実父母の戸籍へ入籍、7歳で母が死去。11歳の時に一家で上京、小学校を辞めて工場で働くことに。10代は職を転々とし、20歳で結婚、自殺未遂、離婚。24歳で作家デビュー、25歳で再婚。その後、文学と革命運動、逮捕、勾留、戦争責任、離婚、子供を連れて自立。辛酸をなめながら、必死に生き抜いた94年の生涯。
—錚々たる作家陣との人脈を築く
10代の女中時代には芥川龍之介や菊池寛。20代には同人誌『驢馬』に集う中野重治や窪川鶴次郎(のちの夫)と出会う。作家活動後には、小林多喜二らと共に文化連盟の活動に奔走。その後、林芙美子らと戦地慰問や、社会運動で壷井栄に出会い、宮本百合子らと婦人民主クラブを創立など、多くの文学人との交流があった。
—今もなお読み継がれる数々の名著を残す
プロレタリア文学の代表作であり、第一作『キャラメル工場から』にはじまり、『私の東京地図』『女の宿』女流文学賞、『樹影』野間文芸賞、『時に佇つ』川端康成文学賞、『夏の栞-中野重治を送る-』毎日芸術賞、『月の宴』読売文学賞、1983年朝日賞受賞など。
佐久間文子(さくま・あやこ)
1964年大阪生まれ。文芸ジャーナリスト。朝日新聞記者をへて、現在フリーランス。著書に『「文藝」戦後文学史』(河出書房新社)、『ツボちゃんの話』(新潮社)がある。
頁数:352ページ
本体価格:3,000円(税別)
発刊:2024年11月9日
ISBN : 978-4875867135