徒花図鑑
頁数 : 144頁
定価 : 3,960円
発刊 : 2011年7月4日
ISBN : 978-4-87586-309-0 C0071
絵画にして文学齋藤芽生初作品集
人は時代に流され、多くのことを忘れていきます。例えば、演歌に歌われているような情念の世界は、無機質になりつつある21世紀には無縁のようにも感じられます。けれども画家は、それら息を潜め、しかし確実に存在する物語を見つめます。忘れられた場所、朽ちかけた物、打ちひしがれた人々……。物語は、「花」「窓」「花輪」などのフォーマットに落とし込まれ、絵となります。架空のものとして描かれる絵画世界は、しかし、細密に描かれることで、かつて見たことがあるような〝気配〟を纏っています。
本書は、絵画と同時に日々書きためている作者の詩文も収録しています。まだ37歳の作者があたかも幼い頃からのいままでの人生の旅路で拾い集め、再構成した、絵画と言葉を「図鑑」として仕立て上げた、画集であり詩文集です。
【目次】
「花」
徒花図鑑
徒花園
毒花図鑑
「窓」
晒野団地入居案内
晒野団地四畳半詣
「旅」
地霊に宿られた花輪
名もなき東京人のための花輪
瑣事鑑
密愛村
高階秀爾「鮮烈な詩情の世界」
小泉晋弥「齋藤芽生の花・窓・旅の行方」
【プロフィール】
齋藤芽生(さいとう・めお)
1973年東京都生まれ。現在、東京芸術大学美術学部油画科常勤講師(女性初)。1996年、東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。2001年、同大学院博士課程修了。2010年、「VOCA展2010」にて佳作賞と大原美術館賞を受賞。個展・グループ展多数開催。
頁数 : 144頁
定価 : 3,960円
発刊 : 2011年7月4日
ISBN : 978-4-87586-309-0 C0071