展覧会案内岡村桂三郎展-異境へ

岡村桂三郎展

-異境へ


岡村桂三郎《百眼の魚18-1》2018年 作家蔵
撮影/末正真礼生 SUEMASA Mareo



平塚市美術館

神奈川県平塚市西八幡1-3-3
tel.0463-35-2111
2018年4月21日(土)~2018年6月24日(日)
※月曜休館、ただし4/30は開館
9:30~17:00
※入場は閉館の30分前まで
観覧料(当日):一般400(320)円/高大生200(160)円
※( )内は20名以上の団体料金
※中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
※各種障がい者手帳の交付を受けた方及び付添1名は無料
※65歳以上で平塚市民は無料、市外在住者は団体割引
(年齢・住所を確認できるものをご提示ください)

→ チケットプレゼント *受付は終了しました

現代の美術界をけん引する気鋭の作家・岡村桂三郎の大規模な個展が開催されている。

岡村は、20代で山種美術館賞優秀賞を受賞するなど早くから頭角を現し、注目されてきた。その独特な造形は、バーナーで焦がした巨大な杉板に方解末を塗り重ね、木炭でモチーフの形をとり、その中をスクレーパーでうろこ状に線刻するという特異な手法により生み出されている。こうした造形行為によって、従来の日本画にはない物質感や重厚な存在感を獲得した岡村は、2004年芸術選奨文部科学大臣新人賞、2008年第4回東山魁夷記念日経日本画大賞、2012年第18回MOA岡田茂吉賞MOA美術館賞を受賞するなど、現代の美術界をけん引する気鋭の作家として活躍している。

屏風状に連ねた巨大な杉板のパネルに描かれるのは、象や鳥、巨大な魚のほか、龍や迦楼羅などの想像上の生き物で、不思議なうごめきを感じさせるその形態は、圧倒的な生命感をもって観る者に迫る。こうしたイメージを生み出す岡村は、人間の営みや風土に根差した体験、感覚を大切にすることで、自然と人間の接点に美術や宗教が存在するという考えに至り、自然界がもつ生命力や、その形態のゆたかさに着想を得て、制作に注力している。

本展は、2008年に神奈川県立近代美術館で開催された個展以来、県内では10年振りとなる大規模な個展で、充実した活動をみせる岡村桂三郎の、今回の個展のために制作された新作のほか、岡村の画業の変遷を確認できる旧作・近作を含む31点が紹介される。

迫力にみちた大画面による、自然と人間との交感を想起させる世界観をぜひ堪能してほしい。