展覧会案内柳宗悦没後60年記念展「民藝の100年」

柳宗悦没後60年記念展
「民藝の100年」


《羽広(はびろ)鉄瓶》 山形県 1934年頃
日本民藝館



東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー

東京都千代田区北の丸公園3-1
tel.050-5541-8600(ハローダイヤル)
2021年10月26日(火)〜2022年2月13日(日)
前期:10月26日(火)〜12月19日(日)
後期:12月21日(火)~2022年2月13日(日)
※作品保護のため、会期中一部展示替えあり
※月曜休館、ただし1/10は開館。年末年始[12/28(火)〜1/1(土・祝)]、1/11(火)休館
10:00~17:00
※金・土曜日は20:00まで
※いずれも入館は閉館の30分前まで

特設ページ:https://mingei100.jp

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今、なぜ「民藝」に注目が集まっているのか。「暮らし」を豊かにデザインすることに人々の関心が向かっているからなのか。それとも、日本にまだ残されている地方色や伝統的な手仕事に対する興味からなのか。いずれにせよ、およそ100年も前に柳宗悦、濱田庄司、河井寬次郎が作り出した新しい美の概念が、今なお人々を触発し続けているのは驚くべきことである。

「民藝」という言葉が生まれたのは1925年12月末のこと。民藝の思想の種がまかれてから、およそ100年(正確にいうと「民藝」誕生から96年)。柳宗悦の没後60年に開催される本展では、選りすぐった陶磁器、染織、木工、蓑、ざるなどの暮らしの道具類や大津絵といった民画のコレクションとともに出版物、写真、映像などの同時代資料を展示し、総点数400点を超える作品と資料を通して、民藝とその内外に広がる社会、歴史や経済を浮かび上がらせる。

今回とりわけ注目するのは、「美術館」「出版」「流通」という三本柱を掲げた民藝のモダンな「編集」手法と、それぞれの地方の人・モノ・情報をつないで協働した民藝のローカルなネットワーク。民藝の実践は、美しい「モノ」の蒐集にとどまらず、新作民藝の生産から流通までの仕組み作り、あるいは農村地方の生活改善といった社会の問題提起、衣食住の提案、景観保存にまで広がった。

「近代」の終焉が語られて久しい今、持続可能な社会や暮らしとはどのようなものか―「既にある地域資源」を発見し、人・モノ・情報の関係を編みなおしてきた民藝運動の可能性を「近代美術館」という場から見つめなおす。