展覧会案内開館30周年記念 荒井寿一コレクション 川瀬巴水展

開館30周年記念
荒井寿一コレクション

川瀬巴水展


《東京二十景 芝増上寺》 大正14(1925)年
荒井寿一コレクション


平塚市美術館

神奈川県平塚市西八幡1-3-3
tel.0463-35-2111
2021年4月24日(土)~2021年6月13日(日)
※月曜・5/6(木)休館、ただし5/3(月)は開館
9:30~17:00
※入場は閉館の30分前まで
観覧料(当日):一般800円 大学・高校生500円
※団体割引あり
※中学生以下、毎週土曜の高校生は無料
※各種障がい者手帳の交付を受けた方及び付添1名は無料
※65歳以上で平塚市民は無料、市外在住者の65歳以上は団体料金(640円)

ホームページ:http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/

→ チケットプレゼント *受付は終了しました

大正から昭和にかけて風景版画を数多く制作した版画家、川瀬巴水(1883-1957)。幼少より絵に関心を寄せて10代で断続的に日本画を学ぶが、家業を継ぐべき長男であったことから本格的に画業に身を投じることができずにいた。

転機が訪れたのは20代半ば。葵橋洋画研究所での学習を経て27歳で鏑木清方師事し、ようやく画家として歩み始めた。

大正時代前半の巴水は、清方の弟子として雑誌の挿絵や口絵、広告図案などの仕事をし、「版」による制作に親しむ。やがて同門の伊東深水が制作した風景版画《近江八景》の連作に影響を受けて木版画制作をこころざし、版元・渡邊庄三郎と協力し、大正7(1918)年に塩原の写生にもとづく三部作を発表。以後、約40年にわたって日本各地を写生旅行し、その地に暮らす人々の生活や四季折々の風景をもとに、詩情あふれる作品を数多く生み出した。

本展は、昨年度開催を予定していた「川瀬巴水展」が新型コロナウィルス感染症のために中止になったことを受けて、荒井寿一コレクションのみで再構成したものになる。荒井寿一コレクションは、川瀬巴水の初期から晩年までの優れた版画作品を網羅するほか、これまで紹介される機会の少なかった本の装丁や雑誌の表紙・挿絵・口絵、絵はがきなどのグラフィックデザインを含む充実したコレクションだ。

近年国内外で再評価が高まり、後摺を求めるファンも多い巴水。「版」という表現手段を通じて生み出された作品の幅広さを味わいたい。